目次
1. QBハウスで利用可能な決済手段と手数料の有無
QBハウスでは、券売機による事前精算システムを採用しており、対応している決済手段は限定的です。
以下の表に主な決済方法と対応状況、および手数料の有無をまとめます。
決済手段 | QBハウス通常店での利用可否 | 手数料 |
---|---|---|
現金 | ○ (全店利用可。券売機で購入) | なし(無料) |
交通系ICカード (Suica、PASMO、ICOCA等) |
△ (約半数の店舗で利用可。主に駅ナカ店舗など) | なし(無料) |
電子マネー(その他) (楽天Edy、nanaco、WAON、iD、QUICPay等) |
△ (ごく一部店舗のみ対応。例:豊洲・柏の葉などでEdy利用可) | なし(無料) |
QRコード決済 (PayPay、楽天ペイ、d払い、LINE Pay等) |
× (基本利用不可。一部店舗で試験導入の可能性あり) | - |
クレジットカード (VISA、Mastercard等) |
× (基本利用不可。通常店にクレカ決済端末なし) | - |
デビットカード | × (利用不可) | - |
ブランドプリペイドカード (au PAYプリペイド、dカードプリペイド等) |
× (利用不可) | - |
タッチ決済(NFC) (Visaのタッチ決済等) |
× (利用不可) | - |
※QBハウスの新業態「QB PREMIUM」ではクレジットカード決済に対応しています(専用アプリによる事前決済)。
ただし通常のQBハウス店舗ではクレジットカードやQRコード決済は基本的に利用できません。
交通系ICカードや一部電子マネーは店舗限定で使えますが、追加の手数料は一切かかりません(現金支払いと同額)。
*図:一部店舗の券売機に設置されたICカード読み取り機(画面案内に従い交通系ICカードをタッチして決済可能)。
券売機方式のため基本的に釣銭も自動処理され、手数料はかかりません。
*
なお、券売機が未対応の硬貨(例:新500円玉)も存在するため現金利用時は注意が必要です。
公式発表によれば、店舗によって令和3年発行の新500円硬貨が使えない場合があり、その場合は他の硬貨を用意する必要があります。
このように、現金利用にも多少の不便が残っている状況です。
2. 未対応の決済手段に対するキャッシュレス志向顧客のニーズ
現在QBハウスで未対応の決済手段として代表的なものに、Apple Pay(アップルペイ)や**タッチ決済(NFCによるクレジットカードのコンタクトレス決済)**があります。
これらはスマートフォンや非接触IC付きクレジットカードで手軽に支払える方法ですが、QBハウス通常店では利用できません。
キャッシュレス志向の顧客からは、これらへの対応を望む声がSNS上やアンケート調査で確認できます。
- Apple Pay / Google Pay(スマホ決済全般)への期待: iPhoneなどでのApple Pay決済(交通系ICやQUICPay等を含む)はQBハウスでは利用不可であり、「スマホだけで支払いを済ませたい」という顧客には不便です。
ある利用者はブログで「新500円硬貨だけでなく、クレカや電子マネーも使えるようになってほしいな」と述べており、スマホ決済やカード決済への対応を望む率直な声と言えます。
また、リクルートの調査でも**「本当はキャッシュレス決済を使いたかったが、店側が未対応だった」**という声が多く聞かれており、対応さえしていれば利用したいと考える顧客は少なくありません。
- **タッチ決済(非接触クレジット決済)**への期待: 近年普及しつつあるVisaのタッチ決済などのNFC決済も、現状QBハウスでは利用できません。
カードをかざすだけで決済できる手軽さから、対応を期待する声があります。
特にクレジットカード中心の生活を送る層にとっては、「カードを持っているのに使えない」状況への不満が想定されます(※SNS上でも「イオンモール内のQBハウスはWAONもイオンカードも使えないのに交通系ICだけ使えるのは謎」という指摘がありました)。
これはタッチ決済未対応への戸惑いを示す例と言えます。
- QRコード決済(スマホ決済)への期待: PayPayをはじめとするコード決済は日本で急速に普及しましたが、QBハウスでは主要なQR決済は一切導入されていません。
キャッシュレス派の中には「普段PayPay派なので使えず残念」「ラインペイやd払いに対応してほしい」といった要望も散見されます。
特に国内最大級のPayPayが使えない点は多くの人に意外感を与えており、「勢いのある決済サービスなのに未導入」という指摘があるほどです。
以上のように、Apple Payやタッチ決済、QR決済などへの未対応は、スマホやカードでの支払いを当たり前と考えるキャッシュレス志向の顧客にとって不満点となっています。
逆に言えば、これらに対応すれば「財布や現金を持ち歩かなくてもいい」という利便性から、さらなる集客や満足度向上が期待できるでしょう。
3. SNS上の口コミ:支払いに関するトラブル・肯定的意見
QBハウス利用者の口コミをX(旧Twitter)やブログ、レビューサイトで調査すると、支払い方法に関する不満と、実際にキャッシュレス決済できたことへの安堵・評価の双方が見られました。
それぞれ代表的な意見を紹介します。
● 不便・トラブルだったという声
- 「現金払いしかできず困った」 – 普段キャッシュレス決済に慣れている利用者からは、QBハウスで現金しか使えない店舗に戸惑う声が多々あります。
実際に子連れで利用した方のブログでも「現金払いのみで、日頃キャッシュレス決済の人は注意!」と強調されていました。
現金を持ち合わせずに来店してATMを探す羽目になった、という投稿も散見されます。
- 新硬貨や細かい支払いでのトラブル – 料金が1,000円台と細かいこともあり、券売機でお釣りや硬貨対応にまつわるエピソードもあります。
例として「QBハウスで新500円硬貨が使えなかった」というブログ投稿があり、新500円玉を投入できず結局1,000円札を2枚入れることになったとのことです。
この利用者は「券売機が新硬貨未対応なのは仕方ないが、できればキャッシュレス決済も使えるようにしてほしい」と不満を述べています。
- 「カードも電子マネーも不可」の意外さ – SNS上では、「イオンモール内なのにWAONもイオンカードも使えず、なぜか交通系ICだけ使えるQBハウスは根性ある(笑)」といった皮肉交じりのツイートもありました。
商業施設内でも自社グループの電子マネーに非対応な点に驚く声で、QBハウスの決済事情の特殊さを物語っています。
● 便利に感じた・ポジティブな声
- 「交通系ICで支払えて助かった」 – 一方で、キャッシュレス対応店舗を利用した人からは安堵の声もあります。
ある利用者は「Edyが使えるQBハウスは初めてだけど、Edy残高がないのでSuicaで払った」とSNSに投稿しており、交通系ICでスムーズに決済できたことを報告しています。
このようにSuicaなどで現金要らずだった便利さを挙げる声は肯定的な意見として見られます。
- 「クレカは不可だけどキャッシュレス対応で感動」 – 実際に駅ナカ店舗などでICカード決済を経験した利用者からは、「QBハウス、クレカは使えないけどキャッシュレス対応してて感動」といったツイートも確認できました(※X上の投稿より)。
クレジットカードそのものは使えなくても、財布を出さずに済んだことへ好意的な反応と言えます。
- 公式アプリでの事前決済への評価 – これは通常店舗ではなく「QB PREMIUM」の事例ですが、専用アプリで予約からクレジット決済まで完結するシステムについて「待ち時間確認やキャッシュレスで事前支払いができてスムーズ」と紹介する記事もあり、QBハウスが提供し始めた新サービスへの期待が伺えます。
通常店でも将来的に同様の仕組みが導入されれば便利になるとの声もありました。
以上のように、SNSや口コミを見る限り、「基本現金のみ」は依然として不便とする声が根強い一方、一部店舗でキャッシュレス決済ができたことに対する安堵や称賛も確認できました。
利用者の声からは、「いつでもどこでもキャッシュレスで支払えればもっと便利なのに」という期待が読み取れます。
4. 競合1000円カットチェーンの決済対応状況とQBハウスとの比較
低価格ヘアカット業界では、QBハウス以外にも多数のチェーン店が存在します。
それら競合店のキャッシュレス対応状況を調査し、QBハウスとの違いを比較しました。
- 髪剪處(かみきりどころ) – 温浴施設等に併設されるケースが多いチェーンです。
決済手段は原則現金のみで、クレジットカード・電子マネー・QR決済いずれも対応していません。
QBハウス以上に保守的で、キャッシュレス化が進んでいないチェーンの一例です。
つまり**QBハウスよりもさらに「現金主義」**であり、キャッシュレス志向の客から見ると利便性は劣ります。
- Cut Factory(カットファクトリー) – 首都圏中心に展開するフランチャイズ型チェーンです。
原則現金払いとなっていますが、一部店舗では例外的に決済端末を導入しています。
例えば商業施設内の店舗では交通系ICカード(Suica、PASMO等)やnanacoなどが使える場合があります。
クレジットカードも極一部店舗で利用可能とされていますが、チェーン全体で見ると対応は限定的です。
QRコード決済も「基本不可だが一部店舗で使えることもあるよう」との記述があり、店舗オーナー裁量で導入しているケースが考えられます。
総じて**「QBハウスと同程度かそれ以上に現金中心」**ですが、交通系IC対応店舗がある点はQBハウスと似ています。
- サンキューカット(39CUT) – 約10分でカットを謳うチェーンで、こちらもクレジットカードは利用不可です。
しかし交通系ICカードやnanaco、WAONなど電子マネーは店舗によって対応しており、公式サイトでも利用可能店舗を案内しています。
同様にPayPayなどQR決済も一部店舗で導入しており、フランチャイズ店舗ごとに対応状況が異なるものの、チェーン全体としては徐々にキャッシュレス手段が広がっている印象です。
これは駅ビルやイオンモール内への出店時に、それら施設の決済インフラに合わせて対応を増やしているためと考えられます。
QBハウスとの違いは、nanaco・WAONといった流通系電子マネーや一部QR決済にも対応店舗がある点で、こちらの方がやや選択肢が多い場合があります。
- その他の低価格チェーン – 「カットコムズ」「クイックカットBB」「ヘアーサロンIWASAKI」等、多くのチェーンは未だ現金払いが基本です。
券売機方式を採用し高額紙幣が使えない(1,000円札のみ受付など)ため「来店前に千円札を用意して」と注意書きする店舗もあります。
一方で例外的な存在として「カットハウスひかり」は券売機と主要QRコード決済(PayPay、楽天ペイ、d払い等)を導入したハイブリッド方式を採用しています。
クレジットカードや電子マネーには対応しない代わりに複数のコード決済を使えるユニークなモデルで、若年層を意識した差別化といえます。
- プラージュ(理美容プラージュ) – 1000円カット専門店ではありませんが、全国700店以上を構える業界大手の一つとして比較します。
プラージュはほとんど全店舗でクレジットカード決済に対応し、さらに交通系IC・電子マネー(楽天Edy、iD、QUICPay、nanaco、WAON等)や主要QRコード決済(PayPay、au PAY、楽天ペイなど)にも店舗ごとに順次対応済みです。
公式にも「コード決済が利用可能に・・・」との案内が出ており、Apple PayやGoogle Payも使える店舗があるなど、決済手段の選択肢が非常に多いことが特徴です。
「キャッシュレス決済の選択肢がいろいろあっていいですね。
」との声もあるほどで、支払い面で見るとプラージュは業界内でも群を抜いて先進的です。
QBハウスと競合の差別化ポイントを整理すると、QBハウスは「駅ナカという立地」を活かして交通系ICカード対応店舗が多い点が強みです。
しかしクレジットカードやQR決済といった分野では競合に後れを取っています。
例えばプラージュではクレカ・QR含め広く対応し集客につなげていますが、QBハウス通常店は未対応です。
逆に髪剪處のようにQBハウス以上にキャッシュレス未対応のチェーンもあり、そうしたチェーンと比べればQBハウスは半数の店舗で電子マネー決済できる点で優位とも言えます。
要するに、競合他社も含め業界全体でキャッシュレス対応はまだ途上ですが、一部先行するチェーンも出てきており、QBハウスは現状その中間的な立ち位置にあると考えられます。
5. 新たな決済手段導入がQBハウスの客層・回転率に与える影響
最後に、キャッシュレス化の促進がQBハウスのビジネスに与える影響について、市場データやレポートを基に分析します。
● 若年層の取り込み: キャッシュレス対応強化は若い世代の集客に直結すると考えられます。
ある決済サービス会社の調査では、「実店舗でキャッシュレス非対応だったために購入を諦めた経験がある人」は全世代で43.2%でしたが、20代では59.5%にも達したと報告されています。
つまり若年層の過半数は、支払いがキャッシュレスでできない店を敬遠した経験があることになります。
QBハウスがもしクレジットカードやQR決済に対応すれば、「現金がないから利用を見送る」という若者を減らせる可能性が高いでしょう。
実際、20代の6割近くがキャッシュレス非対応を理由に支払いをやめた経験があるという結果からも、決済手段の充実が特に若年層の利用ハードルを下げることがデータで裏付けられています。
● インバウンド(訪日客)への対応: クレジットカードやスマホ決済導入は、外国人観光客にも大きな利点があります。
SMBCカードのレポートによれば、「インバウンド需要に対応するにはキャッシュレス決済への対応がとても重要」であり、外国人観光客の母国ではキャッシュレス決済が常識であるケースが多いと指摘されています。
日本を訪れる旅行者にとって、言語がわからなくてもカードを差し出すだけで払える安心感は大きく、現金しか使えない店は敬遠されがちです。
QBハウスは海外展開もしていますが、日本国内店舗でもしタッチ決済やAlipay/WeChat Payといった決済手段を導入すれば、訪日客が気軽に散髪サービスを利用できるようになり集客につながるでしょう。
「キャッシュレス決済を店舗に導入することで、訪日外国人観光客の利便性が向上し、集客や売上アップにつながる」との分析もあります。
● 回転率・業務効率への影響: キャッシュレス決済の導入は、会計にかかる時間短縮による回転率向上も期待できます。
現金扱いでは券売機やスタッフによる釣り銭の受け渡し・金額確認に時間がかかりますが、非接触決済ならそれが不要になります。
実際、キャッシュレス導入支援企業の分析でも「会計時間が短縮され、回転率が向上します。
特に飲食店や小売店では、スムーズな決済が回転率の向上に直結します」と述べられています。
QBハウスの場合も、券売機への現金投入よりICカードタッチやQRコード読み取りの方が速やかに決済が完了し得ます。
券売機の詰まり防止や両替対応などの手間も減り、スタッフは本来のカット業務に専念できるでしょう。
国もキャッシュレス推進の理由に**「現金管理の手間軽減」や「生産性向上」**を挙げています。
これはQBハウスのような回転率重視の業態にも当てはまり、決済の効率化が1日の受け入れ客数増加につながる可能性があります。
● 顧客満足度とリピート率: 支払いの選択肢が増えることは顧客満足度の向上にも寄与します。
とりわけ「常にキャッシュレス派」の人々にとって、対応店舗が増えれば「ここならスマホだけで行ける」という安心感からQBハウスを選ぶ機会が増えるでしょう。
ホットペッパービューティーアカデミーの調査では、美容サロン利用者の約4割がキャッシュレス決済を利用しており、「サロン側にキャッシュレス端末が無かったため使えなかった」というケースが利用率を下げているとコメントされています。
裏を返せば、対応さえしていれば使いたい人が一定数いるということです。
QBハウスにおいても決済手段が充実すれば、「今回は現金がないから別の店へ」という離脱を防ぎ、リピーター確保につながると考えられます。
以上の分析から、新しい決済手段の導入は若年層・訪日客など新規顧客層の取り込みに効果的であり、会計効率の改善によって回転率アップと顧客満足度向上が期待できます。
実際、ある調査ではキャッシュレス化で「レジ作業の時間短縮」を実感した店舗が多数あり、加えて**「売上が増えた」「業務効率が上がった」**との声も出ています。
QBハウスが今後キャッシュレス対応を全店に広げれば、手軽さを求める顧客層の支持をさらに得て、10分カット業態の強みをより発揮できるでしょう。