1. 眉カットサービスの有無と提供状況

ヘアカット専門店「QBハウス」では、眉毛のカットサービスは基本的に提供されていません

実際、QBハウスはシャンプーや髭剃りと同様に眉カットも「やらないサービス」として位置づけており、公式ホームページ上のサービス内容も「ヘアカットのみ」と明記されています。

つまりヘアカット以外の身だしなみ施術は原則行っていない状態です。

標準メニューは髪を切る施術のみで、料金・時間もヘアカットに限定されています。ヘアカット料金は2025年2月から1,400円(税込)に改定され(従来1,350円)、施術時間の目安は約10分程度というコンパクトな設定です。

この短時間・低価格に特化した営業形態の中に、眉毛カットは含まれていません。

ただし例外的な対応として、スタッフの裁量で「長い眉毛を少し整える程度」であれば対応してもらえる場合もあるようです。

公式にメニュー化はされていないものの、実際に利用者から「お願いしたら眉毛をさっとカットしてくれた」という声もあり、お店側に余裕がありお客から希望があった場合に限り、数秒~1分ほどで眉の長さを整える程度の簡易対応が行われる可能性があります(追加料金は不要で、ヘアカット料金に含まれる形)。

ただしこれは店舗や担当者によるサービス精神に依存する非公式な対応であり、必ずしも全店・全スタッフが応じてくれるわけではありません

2. 眉カットを提供しない理由・背景(企業方針・運営上の都合)

QBハウスが眉毛カットサービスを基本提供していないのは、経営方針や業態上の理由が考えられます。

主な理由を以下に整理します。

ヘアカット専門のサービス範囲

QBハウスは「余計なサービスを省きヘアカットに特化」したビジネスモデルを掲げており、公式サービスに眉毛カットは含まれていません。

髪を切ることに専念することで効率化と低価格を実現しており、その範囲外となる眉カットは意図的にメニューから除外されています。

短時間営業・回転率重視

「10分間のヘアカット」で素早く多くの客を捌く回転率重視のコンセプト上、眉毛や耳毛カットなど追加の身だしなみサービスまで行う余裕がないと考えられます。

施術をヘアカットに絞り込むことで時間あたりの対応件数を最大化し、1人あたりの料金も低価格に抑えているため、眉カットまで含めると時間超過や価格上昇につながり本来の強みを損なう恐れがあります。

顧客ニーズの多様性への配慮

全ての客が眉毛カットを望むわけではないため、デフォルトで眉を触らない運用にしていると推察されます。

一部の高齢層など「眉毛は手を付けたくない」という客も存在し、望まない施術を行えば不満やクレームにつながりかねません。

そのため基本サービスから除外し、必要な人だけが自己申告で依頼する形を取っていると言えます。

サービス標準化・シンプル化

QBハウスでは電話予約・指名や雑誌の提供すら省く徹底した簡素運営を行っています。

これはスタッフ全員が同じメニュー(ヘアカット)のみを提供することでサービス品質を均一化し、研修・設備も最小限に留めているためです。

眉カットのような追加メニューを導入するとスタッフごとの技術差や設備負担が増え、オペレーションの複雑化を招く可能性があります。

この点も踏まえ、「お客様が自分でできること」(髭剃りやシャンプー等)は店舗では行わないという方針を徹底しているのでしょう。

眉毛の手入れも自身で対応可能な身だしなみとして、会社側がサービス対象外にしている背景がうかがえます。

以上のように、QBハウスは企業理念としてヘアカット以外の付帯サービスを極力排除する戦略を取っています。

そのため眉毛カットも提供しておらず、これは決して偶発的な対応漏れではなく明確な経営判断とコンセプトに基づくものと考えられます。

3. 身だしなみに関心が高い層における眉カット需要と潜在ニーズ

髪型だけでなく眉毛を含めたトータルな身だしなみに気を遣う層(特に若年層やビジネスパーソン)の間では、眉毛の手入れニーズが近年高まっています

各種調査や報道から、その需要の高さと潜在ニーズを示す具体的データをまとめます。

眉毛は第一印象を左右する重要パーツ

男性にとっても眉の印象は大きく、「眉は顔の印象を左右する」と考える男性は全体の7割以上にのぼりました(20代~40代では約8割)。

また約8割の男性が「整った眉で好印象を持たれたい」と感じており、「清潔感のある眉」が特に重視されています。

このことから、身だしなみに敏感な層では眉毛を整えることが第一印象や清潔感に直結する重要な要素だと認識されています。

自己処理の難しさとプロ需要

男性の半数以上は自分の眉に何らかの悩みを抱えており、「どう整えたら良いか分からない」が最も多い悩みです。

実際、自分で眉毛の手入れをした経験者のうち54.7%が「形が悪くなってしまった」と失敗を感じているとの調査結果もあります。

このようにセルフケアでは眉の左右対称に整えるのが難しく、下手にいじると不自然になるため、プロに任せたい需要が潜在的に高いと考えられます。

若年層で広がる専門サロン利用

身だしなみ意識の高い層の具体的行動として、20代男性の約3人に1人が「眉毛サロンに通う」と回答しています。

これは専門のアイブロウサロンで眉を整えてもらう男性が若年層を中心に増えていることを示します。

実際、大手かつらメーカーのアデランスは2020年に男性も利用可能な眉毛専門店を開設し、2024年時点でその来店客の約21%が男性になったと報告しています。

専門サロン側も「男性歓迎」「メンズ眉メニュー」を打ち出す例が多くなっており、この層の潜在ニーズを取り込もうとしています。

周囲(女性)の評価も追い風

男性が眉毛を手入れすることへの社会的な受容も高まっています。

ある調査では10代以上の女性500人中97.6%が「彼氏が眉毛を整えるのは良いこと」と回答しており、女性から見ても眉を整える男性は清潔感があって好印象だと捉えられていることが分かります。

また女性が感じる「男性の嫌な眉毛の特徴」の1位は「まったく手入れしていない」ことで、裏を返せば無頓着なボサボサ眉はマイナス要素になり得るということです。

このような周囲の目線も、身だしなみに気を遣う男性に眉ケア需要を生み出す一因でしょう。

以上の点から、身だしなみ意識の高い層には眉毛ケアのニーズが確実に存在し、むしろ年々高まっていると考えられます。

髪型同様に眉毛も整えることで清潔感・好印象を得たいという要望が強く、その一方で自分ではうまくできないというジレンマがあるため、手軽かつプロ品質で眉を整えてくれるサービスへの潜在需要は大きいでしょう。

4. QBハウスでの眉カット体験に関する口コミ・評判

実際にQBハウスで眉毛カットを試みた利用者からは、さまざまな口コミが寄せられています。

満足したケースもあれば、不満や戸惑いの声もあります。

その代表的な傾向をいくつか紹介します。

「断られた」「対応が悪い」との不満

QBハウス利用客の中には、カット中に眉も整えてほしいと頼んだところ「うちは眉毛はやっていません」ときっぱり断られたという体験談があります。

Yahoo知恵袋への投稿では、「眉カットを頼んだら嫌な顔をされ、きつめの口調で断られてしまった」といった声があり、サービス外のお願いをした際のスタッフ対応に不満を感じた例も見られました。

こうしたケースでは、その後のヘアカット中も気まずい雰囲気になってしまい、利用者は「二度と頼めない」と落胆しています。

「無断でカットされた」という戸惑い

一方で逆に、スタッフからの確認なしに眉毛を切られてしまったと戸惑う声もSNS上にあります。

X(旧Twitter)上のある利用者は「普段は眉毛をバリカンでカットするか聞いてくれるのに、今回は目を閉じている間に無断でやられた。

最悪だ」と投稿しており、本人の意思確認なく眉をいじられたことに怒っています。

これは稀なケースかもしれませんが、客によっては眉毛に触ってほしくない人もいることの裏返しとも言え、スタッフ側の判断の難しさがうかがえます。

「お願いしたら対応してくれた」の好意的口コミ

ポジティブな声としては、「カットの仕上げに『少し眉毛も整えましょうか?』と聞かれて、長い眉をさっとハサミで切ってもらえた」という例や、「自分から頼んだら快く眉もカットしてくれた」といった口コミも散見されます。

公式メニュー外とはいえ、多くのQBハウスのスタイリストは髪だけ整えて眉がボサボサのままでは不自然と感じるため、頼まれればできる範囲で綺麗にしてあげたいと思うのが当然とも言えます。

実際に眉や耳周りの毛を簡単に処理してもらえた利用者は、「短時間で身だしなみ全体が整い助かった」と一定の満足を示しています。

仕上がり・技術に対する評価

もっとも、QBハウスで行われる眉毛処理は「長く伸びた毛を少しカットする」程度の簡易な対応であり、本格的に形をデザインしたり細かな長さ調整をすることはできません。

そのため、「期待したほど綺麗に整わなかった」「結局家に帰って自分で手直しした」という声もあります。

特に若い世代などデザイン性を求める層にとっては物足りず、あくまで身だしなみの最低ラインを整える応急処置的なサービスと受け止められる場合もあります。

一方、中高年男性で「飛び出した長い眉毛さえ切ってくれれば十分」という層にとっては必要十分との意見もあり、感じ方は人それぞれです。

以上のように、QBハウスでの眉カット対応に関する口コミは賛否両論です。

総じて言えるのは、「公式サービス外」であるため対応がスタッフや店舗によってまちまちであること、受けられるとしても最低限の簡易ケアに留まることです。

満足度は利用者のニーズ次第で、大きな期待をしすぎると落胆する可能性があります。

反対に「少しでいいから眉も整えてほしい」という程度であれば、頼んでみる価値はあるかもしれません。

5. 美容室・眉専門サロンとQBハウスの料金・技術力比較

眉毛カットを扱う他のサービス(一般の美容室や眉毛専門サロン)と、QBハウスでの眉毛ケア(※公式にはサービスなし)の料金や技術の違いを比較します。

以下の表に主要な点をまとめました。

サービス提供者 眉カット料金 (目安) 技術・仕上がりの特徴及び所要時間
QBハウス (ヘアカット専門店) なし(※希望時に無料対応の場合あり) 長い毛を少し整える程度の簡易対応。デザインの提案や細かな形の調整は不可。施術時間も1分程度で、あくまで髪カットのついでにサービス精神で行う範囲。
一般的な美容室 500~1,000円程度(店舗によってはカット料金に含み無料の場合も) 美容師がハサミや電動シェーバーで眉を整える。所要時間5分前後。不要な毛をカットしつつ、おおまかな形を整えてくれるため清潔感は出る。技術レベルは担当者によるが、専門サロンほど細密・高度ではない。髪カット時に追加で頼める手軽さが利点。
眉毛専門サロン (アイブロウサロン) 約2,000~3,000円前後(例: 眉カット単体で¥1,980、メンズ眉カット¥2,200 など) アイブロウリスト(眉専門技術者)が施術。カウンセリングを行い、顔のバランスに合わせて理想の眉デザインを提案してくれる。不要な毛はワックス脱毛や毛抜きも駆使して処理し、細部まで整えるため仕上がり精度が高い。所要時間は15~30分程度と十分な時間をかける。眉メイクのアドバイスを受けられる場合もあり、費用は高めだが満足度も高い。

※上記は一般的な傾向の比較です。

なお、従来型の理容室(床屋)では髭剃りサービス内で眉剃りもセットで行うことが多く、その場合は総合調髪料金(3,000円前後)の中で眉も本格的に整えてもらえます。

QBハウスはこうした従来理容のサービスを省いた形で低価格化を実現したチェーンであるため、料金・サービス内容は「必要最低限 vs. フルサービス」で大きく異なる点に留意が必要です。

6. QBハウスのスタッフ研修・衛生管理と眉カットへの応用可能性

スタッフ研修制度の概要

QBハウスは業界内でも独自の徹底した研修プログラムを持つことで知られています。

新人スタイリストは入社後、社内のカットスクール(「ロジスカット(LogiThcut)」)で約6ヶ月間にわたり集中的な技術訓練を受け、一人前のスタイリストとしてデビューします。

この研修では単にカット技術を教えるだけでなく、論理的な考え方に基づく再現性の高いカット手法を習得させる点が特徴です。

例えば「頭の形を正確にとらえて無駄な動きを徹底的に省く cutting 技法」を追求しており、創業からの23年間で蓄積したノウハウとなっています。

研修生は鏡の前のマネキン相手に一心不乱にハサミを動かし、10分という短時間で満足いく仕上がりにするための手順の最適化を身体に叩き込まれます。

このように、QBハウスのスタッフは「短時間で一定クオリティのカットを提供する」ための統一された訓練を受けているため、どの店舗でも安定したサービスが可能になっています。

研修中から正社員待遇で給与が支給されるなど育成投資も手厚く、卒業生は数百名規模に達するなど大きな成果を上げています。

業界では「見て盗め」という徒弟的風潮が強かった中、QBハウスは体系立てた教育プログラムで人材育成を行い、人手不足の課題にも対応している点で唯一無二の存在となっています。

この研修内容を眉カットに応用する可能性ですが、技術的には決して難しくないと考えられます。

髪を切る技術を持ったスタイリストが、眉用の小さなハサミやトリマーの使い方を習得すれば、長い眉毛をカットしたり大まかな形を整える程度であれば短時間で十分対応可能でしょう。

実際、現場でも一部スタッフは自主的にそうした対応をしています(前述の通り)。

研修カリキュラムに「眉毛の簡易カット」の項目を追加すれば、全スタッフに一定水準の眉カット技術を習得させることも可能と思われます。

ただし本格的なデザイン眉を提供するには高度なセンスや専用の道具(眉用コームやシェーバー等)が必要で、研修期間や内容を拡充する必要が出てくるため、あくまで簡易サービスとしてなら研修内容の範囲内で対応可能というイメージです。

衛生管理体制と眉カットへの応用

QBハウスは低価格帯のチェーンではありますが、衛生面の管理にも非常に気を配っています。クシ(コーム)やハサミ等の道具管理については、創業当初から「使い回しをしない」方針を取っており、コームは使い捨て(お客様ごとに新品を使用)する運用を行ってきました。

元スタッフの証言によれば、万一技術中にコームを落とした場合でも拾って再使用せず、新しい物と交換するほど徹底していたとのことです。

その後、近年ではサステナビリティの観点からコームのリユース(再利用)運用を開始しましたが、もちろん衛生面に配慮した洗浄・消毒プロセスを経た上で再利用しているものと思われます。

また、QBハウス独自の設備としてエアウォッシャー(Air Washer)と呼ばれる掃除機状の機械が全店に導入されています。

これはカット後に残った細かな毛くずをシャンプーの代わりに吸い取る機械で、水や洗髪剤を使わずに清潔に仕上げることを可能にしています。

このおかげで施術後の毛髪も店内に残りにくく、次のお客にも衛生的な環境を保てています。

シャンプー台を置かないことで設備を簡素化しつつも、衛生面のケアは機械でカバーする工夫と言えます。

さらに、ハサミやバリカン(電動バリカン)などの器具類も定期的にアルコール消毒や殺菌処理が行われており、不特定多数の客が利用する中でも清潔さを維持する取り組みがなされています。

スタッフは施術毎に手指消毒を徹底し、刃物による怪我や感染症リスクにも注意を払っています。

眉カットサービスを導入する場合の衛生面について考えると、現在のQBハウスの体制をベースに十分対応可能と思われます。

眉毛を切る際に使用する道具(例えば眉用ハサミやフェイスブラシ等)も、髪用コームと同様に使い捨てもしくはしっかり消毒したものを使用すれば安全に提供できるでしょう。

眉は目に近い部分でデリケートですが、消毒済みの小ハサミや電動トリマーのアタッチメントを用いる、使い捨てコームで眉を梳かす、といった形で衛生管理を徹底すれば問題は防げます。

現在も襟足や耳周りの産毛処理に産毛トリマー(小型バリカン)を使用していますが、それと同じ道具を転用して眉毛の長さを整えることも技術的には可能です。

要は眉専用の器具を用意し、施術毎に清潔を担保する運用を確立できれば、衛生面のハードルはさほど高くないと言えます。

総合的に見て、QBハウスの研修力・衛生管理力は眉カットサービスにも応用可能な土台を備えています。

問題は経営判断としてそれを正式メニューに加えるかどうかであり、現時点では前述のようなコンセプト上の理由から踏み切っていません。

しかし、もし今後眉カットへの需要がさらに高まり、競合他社が付加サービスとして眉毛ケアを充実させてくるような状況になれば、QBハウスが自社の強み(短時間・低価格)を維持しつつ眉カットを取り入れる可能性も考えられます。

その際には、現在培っている人材育成システムや衛生管理のノウハウを活かして、QBハウス流のシンプルかつ清潔な眉カットサービスを展開できる余地は十分にあるでしょう。

Sources:

  1. QBハウス公式情報・プレスリリース
  2. QBハウス研究ブログ: 眉毛カット対応に関する解説
  3. 東洋経済オンライン: QBハウスの研修プログラムに関する記事
  4. アデランス調査リリース: 男性の眉意識に関する統計
  5. PR TIMES調査リリース: 女性から見た男性の眉ケアに関する意識調査
  6. その他: Yahoo知恵袋のQ\&A、業界コラムなど(本文中に個別出典表示)
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